大阪ロゲ選手レポート

<出張参戦!ええとこぎょうさん!大阪ロゲ>

大会前日、関東地方を直撃する台風を避けるようにパートナーと新幹線で一路西へ向かう。が、実は昨日階段を降りるときに痛めた右脚ふくらはぎの痛みが酷く、歩くのもままならない状態。大阪市内でのロゲをずっと楽しみにしていたし、さらに今回はレポーターまで引き受けてしまった以上、棄権という選択肢はない。

8月下旬からひたすら雨だった東京とは打って変わり、大会当日の大阪は快晴。湿気や鋭い日差しもなく、秋の空気が感じられる爽やかな天気。完璧なロゲ日和だ。ホテルから南森町駅まで歩いてみるが、奇跡的にほとんど痛みがない。もしや?と思い、走ろうとすると右ふくらはぎに激痛。ランは無理だが、1時間4km、計20kmは歩けるはずで最低限の参加はできそう。走る準備をしてきたパートナーには本当に申し訳ないが、今回はウォークオンリーでの参加だ。

おせんべロゲイニングへの参加は今回が3回目なのでスタートまでの流れは把握している。受付を済ませチェックポイント(CP)一覧と地図を受け取る。大阪には仕事の関係で何度も来たことがあるが、移動はもっぱらタクシーか地下鉄だ。つまり、CP一覧を見たところでほとんど分からない。数少ない既知のCPでも、スタート地点からの距離感のイメージがまるで掴めないところがまた面白い。

我々はランオンリー混合チームの5時間にエントリーしているが、前述のとおり、右足は5時間どころかただの一歩も走れる状態ではないので、ウォークオンリーでどこまでやれるかの勝負になった。主催者の折田さんによるルール説明は関東開催のときとは違う流ちょうな関西弁だった。時間通りに説明が終わると地図の閲覧が可能となり、作戦会議がスタート。

地図左端の海遊館とUSJ周辺に高得点ポイントが固まっているじゃないか!ここまでは範囲になるだろうと事前に予想していた場所だ。走れさえすれば迷わず目指すのだが、ウォークオンリーでは厳しい。実はウォークオンリーに自発的に変更したうえ、「大阪観光を楽しむ」ことを目標に加えたのだ。特に新しい発見はなさそうな海遊館/USJまで行って帰ってくるだけで時間を消化してしまうと肝心の観光ができない。結局、大阪城は観ておきたいという我儘をパートナーが快く受け入れてくれたので、反時計回りに20km程度の行程を描きつつ、梅田での時間次第で柔軟に対応するという作戦にした。

10時半のスタート。ランのガチ勢は案の定建物を出て左の海遊館方面に向かうが、我々ウォーク&観光チームは迷わず大阪ガス実験集合住宅(18)を目指して右へ。走れないが早歩きはできる。ラップを測ると1キロ12分台だ。これなら20キロは問題なく達成できそう。

スタートから30分で大阪城手前の大阪府警(16)を経由して桜門枡形の巨石・蛸石(20)へ。それにしても大阪城の敷地の広いこと。そして外堀の石垣が大きくて立派。江戸城より大きいんじゃないかと思ったが、後で調べたら違いました。外国人観光客の大行列となっている天守閣への入口を横目に次のCPへ向かう。

大阪城の脇を通り抜け、大阪城ホールを左手に見つつ京橋駅へ向かう。大阪城から京橋駅までの動線が綺麗に整っていて感心した。東京の武道館から九段下駅までとは大違いだ。京橋駅では行列のない551蓬莱に初めて遭遇するものの、昼食にはまだ早すぎるのでスルー。京橋グランシャトー(47)の撮影を終え次の目標は天満駅だ。

大阪城

観光を目的に入れると、移動ルートにアーケード街は優先的に組み込まれる。天満駅へのルートには天神橋筋商店街がある。ベーグル屋とお好み焼き屋の行列が目に留まる。大阪人(観光客かもしれない)が行列するくらいだから余程いい店なのだな、とメモ代わりに撮影するのだが、そんな楽しい発見が霞むほどの強烈な光景を目の当たりにする。

裏天満。なんだここは。線路の南側とはガラッと雰囲気が変わり、狭い路地に飲食店が連なる。想像していた雑多な大阪らしさ全開で実に楽しい。ここまでの道のりでは全体的に綺麗に整備されすぎた景色ばかりでやや物足りなさを感じていた。しかしハイボール50円、レモンチューハイ80円はやばい。

次のCPチェ・ゲバラの壁画(42)がある中崎町には昭和の古い建物をリノベした古着屋や飲食店などが点在しており、若者を惹きつけるおしゃれスポットだった。時間があればゆっくり見て回りたいし、今回のイベントに参加しなければ存在自体を知ることもなかったかもしれない。思わぬ収穫。

梅田エリアは人込みが激しく、ここで走るのは不可能だ。信号に行く手を阻まれることも増え、歩きですら移動スピードが極端に落ちた。梅北はしばらく来ないうちに様変わりしていた。グランフロントの西側には何もなかったし、大阪駅の西口なんか無かったよな?と思いながらCPのYUMEMITAIと青りんご(44)、噴水小僧(40)を消化しつつ、たこ焼きの購入場所として計算していたガード下の「はなたこ」へ急ぐ。

街中がこんなに人で溢れているのに、たこ焼き屋に行列がないわけがない。たこやきオブジェ(38)周辺にも何店舗かあったがどれもこれも大行列で梅田でのポイント獲得は断念し、ミナミまでの道中で探すことにした。

梅田からは御堂筋に沿って南下。北新地エリアのCP北新地サイン(26)、かに道楽北新地店(28)の次に予定していたSHIP’S CAT(32)は時間が足りないと判断し中之島図書館(19)へ直行。観光目的としてもじっくり見ておきたかった中之島の川沿いを歩き、川べりのおしゃれカフェをチェックしながら、個人的な必見スポットとしての東洋陶磁美術館(来年3月まで閉館中)を発見。梅田から中之島の距離感も分かり、ここまでの観光情報収集は十分な成果を挙げた。

難波橋のライオン(21)を通過してからは南下ルートを再び御堂筋に移して難波を目指す。しかし、たこ焼き屋が見つからない。船場からはわざわざ心斎橋のアーケードに突入して探索するが、ない。次のCPがあるアメリカ村は聞いたことがあるだけで、どこにあるのか知らなかった場所だ。なんだ、ほぼ心斎橋じゃないか。ただ、ここも人が多すぎてもう無理。もう少し散策したかったがCPのPeace on Earth壁画(9)の撮影だけして即離脱。

難波はさらに人が多い。CP金龍ラーメンとくくる(10)はたこ焼き屋だが、この行列に並んだらタイムオーバーは確定。人波をかき分けて道頓堀を進むと奇跡的に誰も並んでいないたこ焼き売り場(大阪王将)を発見。もはや100点のためなら味なんかどうでもいい。ホットショーケースで保温されていた商品だろうが、今は待ち時間ゼロのほうが大事。

こうして最後の最後にたこ焼きを間に合わせて無事に時間内にフィニッシュ。大変不本意ながらウォークオンリーでの参加となってしまいましたが、自分たちにとって新しい大阪を発見するイベントとして大いに楽しませていただきました。

最後になりましたが、主催の折田さん、スタッフの皆さん、今回もイベントの準備と運営にご尽力いただきありがとうございました。足を治してから次回はランでリベンジさせてください。

折田さんのロゲには大阪ロゲで6回目の参加(翌日の阪堺ロゲで7回目)。特に直近の東京下町や山手線界隈ロゲはほんとに楽しかった。その街の魅力や人々の営みをロゲに織り込むのがとても上手な方だと思っています。その折田さんが大阪で2日間のロゲ開催。これは興味津々。大阪はあまり行ったことがないし、と言うことで両日エントリー。

■ルート方略と計画

地図オープン。CP53箇所、5時間2,000点満点。遠方にのみハイバリューCP群があり、特に高効率な「西の海遊館エリア」と「北の梅田エリア」に着目しつつ、移動の低効率スペースも考慮して目標点を1,500点(1時間あたり300点)に設定した。

調整しやすい梅田エリアを後半に残すため、前半に海遊館エリアを巡る「時計回りルート」を選択。100点のたこ焼きボーナスを早めに処置することを念頭におく。1時間ごとの到達CPを設定し臨機応変に調整する方針を立てた。

■計画ルート(1時間ごと)

①S→5→7→10→24→34→33→48(できればたこ焼き100)

②→74→76→73→72→66→67

③→51→50→52→46→31

④→41→40→44→38→45→42→43

⑤→36→30→28→26→19→21→15→F

■実際のルート⁠(1時間ごと)

①S→5→7→10→24→100→34→33→48

②→61→74→76→73(渡船24分待ち)

③→72→66→67→51→50→52→46

④→31→27⁠→23⁠→32⁠→41→40→44→38

⑤→45→42→43→36→30→19→(21)→15→F 

(※21は申告漏れ) 

■当日の主なエピソード

①熱きたこ焼き:はじめオレンジの元気集団とほぼパックで移動(団体の優勝チーム、箕島663さん)。信号に何度も捕まる。1人だったらめげていた、ありがたい。

塾(34)への途中でボーナスのたこ焼きを獲得!でも熱さで火傷しそうになり手持ちで走る。これがとても走りにくい。冷めるまでの約30分間ブレーキングに。

②渡船ロス:高得点エリアに入り順調点を稼いでいたが、天保山渡船場でタイミングが悪く24分の待ち!仕方なく待ち時間をたこ焼きと水分の補給、プラン再確認に充てて挽回を図ったが、事前に時刻表を調べる重要性を痛感した。

③絶好調: 24分の休憩のおかげかペース維持で意外にも挽回ペース。休憩は大事かもしれない。

④調子に乗りロスト:ペースがいいのでここで欲張る。31のあと、27⁠→23⁠→32⁠→経由での41とした。(先に進んでも東エリアはその後の発展性が薄いと感じ、ここで稼いだ)が、なんと31→27に最短で向かう橋が工事中みたいになっていてよくわからず迂回。そこで方向を一瞬見失いプチロスト。体感では10分くらいロスして焦る。その後、頑張ってなんとか梅田駅を超えた。

⑤あと1時間。正念場。だがここで若干の疲れで集中力が切れ、裏天満ちょうちん(43)とチェゲバラ(42)あたりでは一瞬歩いてしまった。特に駅近くの飲み屋街が素敵だった。なんとか走り直すとペースが戻ったが流石に最短での帰還ルートに変更。21手前で時間が余りそうだったので19のみ立ち寄る。これが意外と遠く感じ、この先のロングレッグでの信号待ちも心配になって焦り出す。最後のCP15からはキロ5を切って走るも何度か信号待ち。ようやく朝見た交差点に着いた時は残り5分。ここで確実に間に合うことを確信。2分前ゴール。

■大阪の街の魅力と難しさ:派手な街並みやおばちゃんの温かい声援など大阪ならではの活気を感じた一方、大都市特有の信号の多さによるペース配分の難しさにも苦しめられた。(ペースが約2割落ちる)

■総括

結果は1,458点(CP21の申告漏れあり)、ハプニングはあったものの、トラブルも含めて街を巡ることでその土地が好きになるロゲイニングの醍醐味を存分に味わえた。

■おわりに

帰りに撮影した道頓堀での一枚の写真。大阪は水の都。橋が無数にあった。

街と街をつなぐ橋には大勢の人が行きかう。

ロゲイニングも「橋」のようだなと思った。

人や街をつなぎ、人と人の魅力をつなぐ。

そんな次のロゲも楽しみにしています。

地元大阪で多くの再発見があった、ええとこぎょうさん、失敗もぎょうさんのレポートをお届けしたい。

チーム名は「East Field」。夫婦の姓をもじりつつ、コンパスが指す方角のEastと、地図の範囲を縦横無尽に駆けるロゲイニングのFieldを重ねた。戦略とナビゲーションは、夫である私の担当だ。

走れない足で、大阪を巡る

もともとは、翌日の阪堺ロゲと合わせて2日連続の5時間を走るつもりだった。ところが大会の17日前、バドミントンの試合で足首を捻挫。直前になっても痛みが残り、走れないと判断した。

欠場も考えたが、この大会には「ウォーク&ライド」があった。ランは禁止で、電車やバスなどの交通機関が使える。前日までカテゴリー変更を受け付けてもらえたおかげで、参加できることになった。

ロゲイニング歴はもうすぐ5年になるが、徒歩での参加は初めて。朝から服装や持ち物に迷い、結局、散歩に出かけるような格好になった。最寄り駅で土日祝620円の一日乗車券を買って、Osaka Metroと大阪シティバスは乗り放題。足の代わりに戦略と地元のアドバンテージで補おう、と会場へ向かった。

Metroとシティバスが乗り放題になるお得なきっぷ
Metroとシティバスが乗り放題になるお得なきっぷ

根本的な失敗は、スタート前から始まっていた

地図を開くと、中程度の得点が集中するキタ周辺エリアと、大きな得点が並ぶベイエリアが目に入った。

私が選んだのは、まずキタ周辺を回ってからベイエリアへ向かう順番。終盤は残り時間に応じて大阪城・ヒガシか、玉川・阿波座周辺を追加できればと考えた。歩く速さでは差がつきにくい分、交通機関を使ってうまく回りたい。

しかし、根本的な失敗はこの順番だった。これに気づいたのは終盤になってからだった。

ベイエリアには、30分間隔の渡し船と15分間隔の桜島線が連続していて、一本逃したときの影響が大きい。一方、キタ周辺は交通が充実していて、近接した点も多く、状況に応じて行程を組み直しやすい。

真っ先にベイエリアに向かい、キタ周辺は終盤に残しておくべきだった。

ランと徒歩の違いに翻弄された序盤

10時30分に約160人が一斉にスタート。近場の5点を取って長堀橋から堺筋線に乗り、北浜へ向かった。

歩き続けられる区間で時速7km程度。ただし、信号や立ち止まる時間を含めると、平均は時速6kmを下回る。ランならペースを調節して渡れる信号も、今日はことごとく引っかかる。

北浜から北新地へ、小さめの得点を拾いながら進む。かに道楽の前から南森町へ向かうところで、最初の選択を迫られた。東梅田から谷町線に乗るか、曽根崎警察署からバスに乗るか、そのまま歩くか。

乗車駅までと降車駅からの距離、ホームまでの上り下り、発車時刻までの待ち時間、それらのロスをランの感覚のまま捉えていた。ひと駅だけだからと徒歩を選んだ結果、信号も多く、14分もかかった。

後で検証すると、谷町線なら5分早着できた。

しかも、東西線を見落としていた。谷町線経由と到着は同じ時刻で、北新地から乗れば東梅田より近かった。

一日乗車券を持っていることで、気づかないうちに意識がMetroとシティバスに偏っていた。

南森町の次は扇町の36点、先の失敗を繰り返すまいという意識が強く働き、ひと駅だったが堺筋線に乗った。

乗車時間は1分だが、駅への出入り、階段、待ち時間を含めると、15分かかってしまった。

しかし、徒歩距離ならば約700m。商店街を避けて信号のない道を歩けば、10分もかからない。

歩いて後悔した直後に、乗って後悔した。同じひと駅でも、答えは逆だった。

待ち時間も競技時間のうち

天満駅を横切り、裏天満の路地を進んだ。ぷららてんまができて縮小した市場跡の通路がそのままに、飲食店がひしめき合っている。昼飲みを楽しむ人たちを羨ましげに眺める視線を背中に感じ、一杯飲んでいこうと言われかねないと足早に通り過ぎた。

裏天満の狭い路地を抜けていく
裏天満の狭い路地を抜けていく

43点を取り、天神橋五丁目のバス停へ。梅田方面への移動は、降りてから歩く距離が短いバスを選んだ。

だが、定刻になってもバスは見えない。環状線にしておけばよかったか。まだ来ないのか。ナビゲーションの先読みに使えばよい時間を、落ち着かずに過ごした。

到着は定刻の2分後。結局、環状線でも大差なかったが、いつ来るか読めない2分を長く感じた。

曽根崎警察署で降り、大阪たこ焼きマーケットへ。ここでは38点だけでなく、特別ルールのたこ焼き購入で100点のボーナス得点を追加することができる。

別の店で買うこともできたが、ついでに買っておくことにした。

ところが、会計を終えてから意外と時間がかかりそうなことに気づいた。結局5分待ちでようやくたこ焼きを受け取った。

もちろんその場で食べている暇はない。赤信号で止まるたびにアツアツを一つずつ丸ごと口へ運び、ハフハフしながら食べる。さっきまで時間を奪うばかりだった赤信号が、ここでは口の中の熱さに悶えながら大阪名物を味わう時間になった。

大阪らしいとこぎょうさん

下町の商店街から、ダンジョンと呼ばれる迷宮立体空間、たこ焼き、高層ビル群を横目に、一等地のオアシス、うめきた公園に向かう。ランよりゆっくり進むことで大阪らしさをぎょうさん感じたキタ周辺エリアだった。

11月の開園に向けて準備が進むノースパークの先にスカイビルを望む
11月の開園に向けて準備が進むノースパークの先にスカイビルを望む

ただ、そのゆっくりを有効に使えていなかった。イノゲート大阪に向かうところで、思い込みから遠回りして、数分を失った。難しい場所でもないのに、乗りたかった電車を逃した。

バス待ちやたこ焼き待ちも含め、地図を見る余裕はランのときよりあった。にもかかわらず、先入観から確認を怠ってしまった。

この頃には、怪我をしていない右足首まで痛みが出てきていた。ウォーク&ライドならなんとかなるという考えは甘かった。これまでの失敗を足で補う余裕は、ますます少なくなっていた。

此花区でも新発見

大阪から環状線で西九条へ。駅近くの46点を取って、今度はバスで千鳥橋へ向かった。

このバスは、そのまま乗れば桜島方面に行ける。しかし、千鳥橋で降りて2カ所を取り、先の停留所から同じ便に乗り直すことはできない。次の便は1時間後。安治川大橋を渡って、弁天町まで歩くことにした。

正蓮寺川公園は、その地下の淀川左岸線も含めて来たことがなかった。川を埋めて整備された公園にミャクミャクを見つけ、52点を取った。

中の青い人はどこに?
目も落ちてるし

千鳥橋筋を南下すると、落ち着いた色の建物が続く中で、ところどころの壁全面に鮮やかな絵が現れる。その迫力あるミューラルアートが独特の存在感を放っているので、50点はすぐに見つかった。

先日梅香を通ったときには気づかなかった。長年住んでいても、まだ知らない場所があちこちにある。

昨年の様子、通り過ぎてしまいそう © Google
側面と前面の2面を大胆に使った作品

痛恨の乗り越し

安治川大橋の8車線を隔てて鈴木さんとすれ違った。声をかけたが届かない。
安治川大橋の8車線を隔てて鈴木さんとすれ違った。声をかけたが届かない。

安治川大橋を渡って港区に入り、安治川水門まで回り込んで51点、弁天町の48点を取り、中央線に乗った。

「朝潮橋で降りなくて良いのか」

改めて聞かれて、ようやく地図の左下を見た。八幡屋公園に64点、さっきまでなかったはずの数字がそこにあった。

一瞬フリーズして、思考を取り戻したときには、電車のドアは閉まっていた。

ここはロゲイニングで何度も訪れた場所。しかも、妻はそれまでにも公園の話をしてくれていた。それなのになぜか「今日は、そこには点はない」と思い込み、見落としていた。

ナビ担当の私の頭は、この先の渡し船と電車の接続でいっぱいで、公園の話と自分の盲点をつなげられていなかった。

私たちは、いつも地図を1セットだけ持つことにしている。その地図を持っている本人が、相方の言葉を聞き流したのだから、弁解の余地はない。

大阪港に着いてからも、向かいのホームから発車しようとしている電車で折り返せばまだ間に合うのでは、天保山を回った後も、船を待つよりすぐに出発するバスで戻るか、と考え続けた。

しかし、その先までつながる行程を組めず、八幡屋公園は断念。天保山の73点と海遊館の76点を取り、渡船場へ向かった。

3分の船旅と、駅で広げたお弁当

天保山渡し船には、地元の利用者と一緒に、ほかのチームも乗っていた。乗船開始から約3分で対岸の桜島側に到着する。降りたところで72点を取り、桜島駅まで歩いた。

そこで、桜島線の長い待ち時間を利用して、ようやく昼ご飯にした。いつもの5時間なら走りながら補給食で済ませるところだが、今回は歩きだから少し余裕があるだろうと、妻が朝から弁当を作ってくれていた。

スタートからの徒歩距離は13kmを超えていて、空腹のところへ、いつもの味がうれしかった。

ユニバーサルシティで途中下車し、USJ周辺の66点と67点を取る。駅に戻って次便を待った。

ご褒美を調達してゴール

制限時間が迫る中、どの寄り道なら間に合うかを考えた。福島を選び、西九条で環状線に乗り換えた。

41点を取ったところで、30分強を残して、これが最後の得点になった。

京橋で乗り換えついでにさらに47点を追加する案もあったが、あと3分が足りなかった。

もう一度環状線で天満へ、扇町から堺筋線に乗り換え、長堀橋に戻ってきた。

まだ余裕があったので、コンビニに寄って、完歩のご褒美としてビールを調達した。怪我をしているのは私だけで、徒歩距離約16km、徒歩時間3時間強では、妻には少し物足りなかったようだ。それでも、ようやくビールにありつけると満面の笑みでゴールできた。

この一杯のために
最高の一杯のために

ゴールしたのに、閉じられない地図と時刻表

得点は25カ所で1074点、たこ焼きボーナスを足して1174点。表彰対象は各カテゴリー1位だけだった。最多の13組が参加したカテゴリーの中で勝てるのか、数々の失敗が頭をよぎり、気になる結果発表を待った。

表彰式で、結果が読み上げられる…チーム名が呼ばれた!!目標が達成できて安堵した。

副賞は、各カテゴリー1位のうち総得点の低い順に一人ずつ選べる方式。私たちの番には選択肢が少なくなっていて、自分ではかぶりそうもないミニオンズの帽子をいただいた。

帰宅後に、また地図と時刻表を広げた。

まずベイエリアへ行き、此花区から出て、キタ周辺エリアへ向かう。道中の乗り換えでも得点を取る。このベストルートなら1479点を狙えることが分かった。

地図と時刻表を調べ直し、レポートを書きながら、300点以上の不足に悔しがっていると、「早く切り替えて、明日(阪堺ロゲ)の準備をせよ」と、ごもっともな指摘を受けた。

初めてのウォーク&ライドだったが、予想以上に難しく、面白かった。知っている街で知らない道を歩き、たこ焼きと弁当を食べ、船で川を渡った。直前の変更を受け入れてくれた主催者と、朝から弁当を作り、徒歩に付き合ってくれた妻には感謝している。

3時間部門の地図も購入した。足が治れば、おかわりを何杯も楽しめそうだ。

ようやくベストルートに確証が持てた頃には、妻は翌日に備えて寝ていた。

私がロゲイニングを知ったきっかけは、東京在住のランニング好きな友人が今年7月におせんべロゲイニング主催の「山手線界隈ロゲイニング2」に参加して楽しかった!と教えてくれたことでした。

調べてみると、山のロゲも楽しそうだが、まずは街なかがいいなぁと思い、同じ主催団体(おせんべロゲイニング)による大阪でのロゲを初チャレンジの場に選びました。

女子ソロの部にエントリーし、当日の会場では勝手が分からずソワソワ。おせんべロゲイニング代表の折田さんによる初心者向けコツ伝授時間が始まったあたりから、なるほどの連続。落ち着け~と暗示をかけている間にスタート!

チェックポイントを目指し、写真を撮っては次の目的地へ。走り続けることで点と点がつながり、大阪城と、天神祭奉納花火を見た場所がこんなに近いなんて!梅田駅の近くに魅力的な場所がこんなにあるなんて!と、驚くこともしばしば。改めて大阪を旅したい!と思えました。

同じ地図を持っている人を見かけると会釈したり、チェックポイントに同着の人がいると交代で写真を撮ったり、大阪弁で話しかけられてうれしく、面白く、心強く感じました。

結果発表では優秀な成績の人たちの周り方の工夫が共有され、また参加したい、次はもっとイケるな!参加するのもいいが、自分が住む石川県でも街なかロゲイニングを企画してみたい!なんて熱い気持ちになりました。

ゴール直前、道頓堀でたこ焼きを購入し、熱々を頬張りながらゴールを目指したのも良き思い出です。ありがとうございました。