地元大阪で多くの再発見があった、ええとこぎょうさん、失敗もぎょうさんのレポートをお届けしたい。
チーム名は「East Field」。夫婦の姓をもじりつつ、コンパスが指す方角のEastと、地図の範囲を縦横無尽に駆けるロゲイニングのFieldを重ねた。戦略とナビゲーションは、夫である私の担当だ。
走れない足で、大阪を巡る
もともとは、翌日の阪堺ロゲと合わせて2日連続の5時間を走るつもりだった。ところが大会の17日前、バドミントンの試合で足首を捻挫。直前になっても痛みが残り、走れないと判断した。
欠場も考えたが、この大会には「ウォーク&ライド」があった。ランは禁止で、電車やバスなどの交通機関が使える。前日までカテゴリー変更を受け付けてもらえたおかげで、参加できることになった。
ロゲイニング歴はもうすぐ5年になるが、徒歩での参加は初めて。朝から服装や持ち物に迷い、結局、散歩に出かけるような格好になった。最寄り駅で土日祝620円の一日乗車券を買って、Osaka Metroと大阪シティバスは乗り放題。足の代わりに戦略と地元のアドバンテージで補おう、と会場へ向かった。

根本的な失敗は、スタート前から始まっていた
地図を開くと、中程度の得点が集中するキタ周辺エリアと、大きな得点が並ぶベイエリアが目に入った。
私が選んだのは、まずキタ周辺を回ってからベイエリアへ向かう順番。終盤は残り時間に応じて大阪城・ヒガシか、玉川・阿波座周辺を追加できればと考えた。歩く速さでは差がつきにくい分、交通機関を使ってうまく回りたい。
しかし、根本的な失敗はこの順番だった。これに気づいたのは終盤になってからだった。
ベイエリアには、30分間隔の渡し船と15分間隔の桜島線が連続していて、一本逃したときの影響が大きい。一方、キタ周辺は交通が充実していて、近接した点も多く、状況に応じて行程を組み直しやすい。
真っ先にベイエリアに向かい、キタ周辺は終盤に残しておくべきだった。
自戒メモ1|終盤の調整シナリオから組み立てる。
交通制約の厳しさと、捨てた場合のロスを考慮した終盤の調整シナリオを確保し、回り方を決めたい。
ランと徒歩の違いに翻弄された序盤
10時30分に約160人が一斉にスタート。近場の5点を取って長堀橋から堺筋線に乗り、北浜へ向かった。
歩き続けられる区間で時速7km程度。ただし、信号や立ち止まる時間を含めると、平均は時速6kmを下回る。ランならペースを調節して渡れる信号も、今日はことごとく引っかかる。
自戒メモ2|信号は、読めたとしても引っかかる。
信号が変わるタイミングを読んでペースを調整する意識がまだ抜けていなかった。脚は歩いているのに、頭の中ではランの部に出ていた。
北浜から北新地へ、小さめの得点を拾いながら進む。かに道楽の前から南森町へ向かうところで、最初の選択を迫られた。東梅田から谷町線に乗るか、曽根崎警察署からバスに乗るか、そのまま歩くか。
乗車駅までと降車駅からの距離、ホームまでの上り下り、発車時刻までの待ち時間、それらのロスをランの感覚のまま捉えていた。ひと駅だけだからと徒歩を選んだ結果、信号も多く、14分もかかった。
後で検証すると、谷町線なら5分早着できた。
自戒メモ3|”ひと駅だけ”を甘く見ない。
駅への出入りと待ち時間を足しても、ひと駅だけでも乗った方が徒歩より速い場合がある。
しかも、東西線を見落としていた。谷町線経由と到着は同じ時刻で、北新地から乗れば東梅田より近かった。
一日乗車券を持っていることで、気づかないうちに意識がMetroとシティバスに偏っていた。
自戒メモ4|”お得”よりも”得点”を。
乗り放題に目が眩み、それ以外の選択肢を見落とした。他の交通機関も横並びで比較したい。
南森町の次は扇町の36点、先の失敗を繰り返すまいという意識が強く働き、ひと駅だったが堺筋線に乗った。
乗車時間は1分だが、駅への出入り、階段、待ち時間を含めると、15分かかってしまった。
しかし、徒歩距離ならば約700m。商店街を避けて信号のない道を歩けば、10分もかからない。
歩いて後悔した直後に、乗って後悔した。同じひと駅でも、答えは逆だった。
自戒メモ5|反省がずれていると、失敗を繰り返す。
「ひと駅だけでも乗ればよかった」を心に刻んだばかりで、無条件で適用してしまった。「ひと駅だから乗る」のではなく、所要時間を見極めて比較する。
待ち時間も競技時間のうち
天満駅を横切り、裏天満の路地を進んだ。ぷららてんまができて縮小した市場跡の通路がそのままに、飲食店がひしめき合っている。昼飲みを楽しむ人たちを羨ましげに眺める視線を背中に感じ、一杯飲んでいこうと言われかねないと足早に通り過ぎた。

43点を取り、天神橋五丁目のバス停へ。梅田方面への移動は、降りてから歩く距離が短いバスを選んだ。
だが、定刻になってもバスは見えない。環状線にしておけばよかったか。まだ来ないのか。ナビゲーションの先読みに使えばよい時間を、落ち着かずに過ごした。
到着は定刻の2分後。結局、環状線でも大差なかったが、いつ来るか読めない2分を長く感じた。
自戒メモ6|バスの延着は織り込み済み、その時間を有効活用する。
バスの本数や、都心に近づくにつれ延着率が高くなることは分かっていた。それを見越して選んだのだから、落ち着いて時間を有効活用する。
曽根崎警察署で降り、大阪たこ焼きマーケットへ。ここでは38点だけでなく、特別ルールのたこ焼き購入で100点のボーナス得点を追加することができる。
別の店で買うこともできたが、ついでに買っておくことにした。
ところが、会計を終えてから意外と時間がかかりそうなことに気づいた。結局5分待ちでようやくたこ焼きを受け取った。
もちろんその場で食べている暇はない。赤信号で止まるたびにアツアツを一つずつ丸ごと口へ運び、ハフハフしながら食べる。さっきまで時間を奪うばかりだった赤信号が、ここでは口の中の熱さに悶えながら大阪名物を味わう時間になった。
大阪らしいとこぎょうさん
下町の商店街から、ダンジョンと呼ばれる迷宮立体空間、たこ焼き、高層ビル群を横目に、一等地のオアシス、うめきた公園に向かう。ランよりゆっくり進むことで大阪らしさをぎょうさん感じたキタ周辺エリアだった。

ただ、そのゆっくりを有効に使えていなかった。イノゲート大阪に向かうところで、思い込みから遠回りして、数分を失った。難しい場所でもないのに、乗りたかった電車を逃した。
バス待ちやたこ焼き待ちも含め、地図を見る余裕はランのときよりあった。にもかかわらず、先入観から確認を怠ってしまった。
自戒メモ7|先入観でナビゲーションを疎かにしない。
知っているからと油断しない。待ち時間を有効活用して、しっかりと先を読んでおく。
この頃には、怪我をしていない右足首まで痛みが出てきていた。ウォーク&ライドならなんとかなるという考えは甘かった。これまでの失敗を足で補う余裕は、ますます少なくなっていた。
此花区でも新発見
大阪から環状線で西九条へ。駅近くの46点を取って、今度はバスで千鳥橋へ向かった。
このバスは、そのまま乗れば桜島方面に行ける。しかし、千鳥橋で降りて2カ所を取り、先の停留所から同じ便に乗り直すことはできない。次の便は1時間後。安治川大橋を渡って、弁天町まで歩くことにした。
正蓮寺川公園は、その地下の淀川左岸線も含めて来たことがなかった。川を埋めて整備された公園にミャクミャクを見つけ、52点を取った。



















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